辻村深月さんの本は何冊か読んでいたけど、これは特に心理描写がすごかった。
婚活という、身近なテーマを扱った作品。
身近といいつつ、婚活する立場の人間の心理をここまで詳細に表現できるものだろうか。
婚活してて、なかなか話がまとまらない人は理想が高いのかな、となんとなく思ってしまいがち。
すでに持っている人には、持ってない人の気持ちは絶対に分からない。
婚活に限らず。
だから相談事とか受けた時には、上から言ってしまわないように気をつけなきゃな〜と思った。
他人には、絶対その人の痛みは本人ほどわかってあげられないんだなと。せめて励ますくらいにしよう。
第一部はヒロイン真実を知る人物からの評判を聞いていく。読者も真実はいい子なのか、それとも強かな子なのか、関係者からの真実の評判をもとに想像するしかない。
傲慢さ、について言及されてるけど、インタビューしていく人々の中にも、傲慢さが感じられた。
第二部で、やっと真実本人の語りが始まる。
ぐっと胸にきた。何ヶ所かうるっときた。
終わり方は良かった。
映画は見てないけど、小説の方を先に読んでよかったなぁと思った。映画のレビューがイマイチだったのと、なんとなくあらすじを知ってから原作を読んだら多分あんまり感動もしなかった気がする。
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